アポトーシスとは、外部からの障害を受けたわけではなく、遺伝子によって決定されたプログラムに従った細胞の死のことです。
たとえばオタマジャクシの尾はカエルに成長する過程でなくなっていきますが、これはアポトーシスが働いているためです。
アポトーシスは発生や老化の過程に欠かせないものです。その働きは細胞内の小器官であるミトコンドリアがコントロールしています。器官の細胞は、アポトーシスによって、新陳代謝が繰り返されています。
特に病原菌に感染した細胞は放置すると、生命を脅かす危険があるため、自らプログラムを起動して死ぬことで他の細胞や器官に影響を与えないようにしています。
しかしガン細胞には正常細胞のようなアポトーシスがありません。そのため他の物質を用いて、細胞を自殺させることが必要になります。アドリアマイシンやビンブラスチンといった多くの抗ガン剤はアポトーシスを誘導させる作用があります。
化学物質以外にも、海草に含まれているフコイダンという成分にもガン細胞を自滅に追いこむ働きがあることが分かっています。ガン細胞に信号を送る他、細胞の表面に穴を開けて、直接DNAを破壊します。
ガン細胞とは逆に、アポトーシスが促進されることで起きるのがエイズです。免疫細胞であるヘルパーT細胞の表面にエイズウィルスが特異的に結びつくことで、細胞のアポトーシスを促します。
ヘルパーT細胞が減少すると免疫機能が低下するため、さまざまな感染症を併発し、感染者を死に至らすのです。もしアポトーシスを抑制することができれば、エイズに感染しても発病を防ぐことができるといわれています。
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