Archive for the ‘皮膚関連用語’ Category

膿瘍(のうよう)

月曜日, 12月 28th, 2009

膿瘍とは、激しい化膿や炎症によって膿(うみ)の溜まった空洞が作られた状態のことです。

皮下や肝臓、脳、肺などに、よく見られます。皮膚や口の粘膜など、比較的表層部にできた膿瘍は膿疱(のうほう)ともいわれ、体内に膿が留まっている場合は蓄膿(ちくのう)といわれます。

皮膚にできる膿瘍の場合、多くは黄色ブドウ球菌の感染が原因です。この菌は小傷や刺し傷などから入りこむことがよくあります。皮膚を不潔な状態にしていたり、慢性的な皮膚病を患っている人はできやすいといわれていますが、原因不明のまま、繰り返し膿瘍ができるケースも見られます。

再発を繰り返す場合は、抗菌力のある石鹸で全身を洗う他、抗生物質を内服して黄色ブドウ球菌を除去します。

皮膚膿瘍は、表皮の下に溜まった膿が熱をもち、痛みをもたらす感染症です。大きさは、直径約2.5cm~10cmです。治療せず、そのままにしておくと膿が破裂。細菌が広がって、周囲の組織やリンパ節が感染する場合もあります。

また発熱を伴うため、体調が悪化します。皮下の深部に膿瘍ができた場合は痛みや発熱以外に、過度の疲労や食欲不振による体重減少などの症状がよく見られます。脳に膿瘍が広がった場合は半身が麻痺することもあります。

軽度の皮膚膿瘍であれば自然破裂を待つか、膿瘍部分に熱を加えるだけで消失させることができます。しかし実際には再発を防ぐために切開して膿を出す必要があります。

その後、窪んだ部分を洗い、内部に膿が残らないようにします。感染症が広がっていた場合や、顔の上部分に膿瘍ができていた場合は、脳への感染を防ぐために抗生物質を服用することが必至です。

ターンオーバー(たーんおーばー)

日曜日, 12月 27th, 2009

ターンオーバーとは、表皮の細胞が生まれてから死んで剥がれ落ちるまでのことです。

健康な皮膚の場合、その周期は約28日~42日といわれています。表皮の細胞は基底層で発生した後、性質や構造を変えて有棘層(ゆうきょくそう)や顆粒層(かりゅうそう)に向かって押し上げられていきます。

その後、角質層で生命を終え、垢になって剥がれ落ちます。皮膚細胞のターンオーバーが順調な場合、皮膚の表面には皮脂の膜が作られ、水分と油分が適度に保たれた健康な肌を維持します。

紫外線やストレスなどが原因で角質層にダメージを受けると、ターンオーバーのサイクルは狂ってきます。また年齢を重ねるとターンオーバーの周期自体が長くなります。

角質の細胞が剥がれたという情報が伝えられると、基底層では新たな細胞が生みだされますから、角質層が剥がれない限り、新しい細胞は生まれにくくなります。肘や膝の皮膚のかさつきやごわつきは、古い角質が分厚く溜まっていることが原因です。

またターンオーバーが順調にいかないと、メラニンが皮膚の中に沈着してシミを作ります。逆にストレスや外的な刺激を受けた角質層を正常な状態に戻そうとして、ターンオーバーが早まる場合もあります。

しかし未成熟な状態の角質層は刺激に弱く、すぐ傷つきます。敏感肌や乾燥肌がもたらす肌トラブルは、ターンオーバーの循環がうまくいっていないことが原因といえます。

古い角質を取り除くピーリングは適切に行えばターンオーバーを整えることができます。しかし角質を一度に大量に除去すると、皮膚に必要なたんぱく質も一緒にまで取り去ってしまうことがあります。肌にダメージを与えないよう注意が必要です。

紫外線(しがいせん)

日曜日, 12月 27th, 2009

紫外線とは、太陽の光に含まれる見えない光線のことです。

太陽光には目に見える可視光線と熱を与える赤外線、目に見えず熱さもない紫外線で成り立っています。そのうち可視光線が52%を占め、赤外線は42%。紫外線は約5~6%です。7色に分光される可視光線の一番外側にある紫より外側にあって、波長が短いのが紫外線です。

太陽の光は、地球の明るさや暖かさを作り、生物の生体リズムを調整する大事な働きがありますが、紫外線は可視光や赤外線に比べてエネルギーが大きいため、細胞のDNAを破壊するなど物質に化学変化を起こしやすいという特徴をもっています。

紫外線のなかでも波長の長いものはA波、波長が短いものはB波と呼ばれています。もう一つC波もありますが、オゾン層に吸収されます。B波の2~8%は皮膚の下0.1mmまで透過しますが、0.5mmより深部には届きません。

逆にA波は50~60%は皮膚の下0.1mmまで、7%が0.5mmまで、0.5%が1.0mmまでと真皮層まで届くことが分かっています。強力なB波を浴びると人間の皮膚は黒くなり、時には炎症ややけどになることもあります。

A波はエネルギーは弱いものの雲やガラスも通り抜けられます。皮膚に浴び続けると皮膚細胞のDNAが破壊されて、皮膚の内部に水分や油分を蓄える力が衰え、弾力線維などが切れていくことが分かっています。

そして肌にシワやたるみといった老化現象をもたらすのです。

紫外線の量は時間や季節によって変わります。多い時間帯は午前10時から午後2時、時期は5~6月にかけてです。

SPF値(えすぴーえふち)

日曜日, 12月 27th, 2009

SPF値とは、日焼け止め剤などが紫外線B波を防止する力を表す指数です。

SPFは、Sun Protection Factorを略したもので、日やけ止めをつけない場合に比べ、日やけするまでの時間を10倍に遅らせることができるならSPF10、20倍ならSPF20というように表示されます。化粧品の紫外線防止効果を知る際に役立てることができます。

もちろんSPF値が大きいほうが紫外線防止効果は高くなり、 正しく使用した場合はSPF50で完全にシャットアウトすることができるといわれています。そのため日本化粧品工業連合会はSPF50を数値の上限に定めています。実際のSPF値が50以上だったとしても表示上はSPF50です。

外出先や時間にも左右されますが、日常生活で使用する上ではSPF値は10~20あれば十分です。

アウトドアでのレジャーや外出時間が長い場合は、できるだけSPF値を上げる方がいいでしょう。理論的にはSPF値の高い日焼け止めをつけていると日焼けはしないはずですが、汗や水で落ちることがあり、また手やタオルで擦っても取れてしまうので、何度か塗り直します。

紫外線防止効果を表す表示にはSPF以外にPAという記号があります。これは紫外線のうちA波を防ぐ力を表します。A波は肌を黒くするだけでなく、皮膚内の弾力繊維などを破壊し、シワやたるみを作ります。PAは+(プラス)++(ダブルプラス)+++(トリプルプラス)で表され、+が多いものの方が効果が高くなります。日常的に使う日焼け止めであれば、PA ++もあればよいでしょう。

アトピー(あとぴー)

日曜日, 12月 27th, 2009

アトピーとは、アトピー性皮膚炎の慣用的な表現です。

アトピー性皮膚炎は先天的な過敏症の1種で、アレルギー体質を持ち合わせた上に刺激が加わると、かゆみを生じる慢性的な皮膚疾患です。

患者の約80%が5歳になるまでの間に発症し、従来は年齢と共に自然治癒すると考えられていましたが、成人になっても発症する例が増えています。また成人してから発症または再発する場合もあります。

子供の発症率は両親がアレルギーの場合約50%、一方がアレルギーの場合約30%と遺伝しやすい病気です。

アトピーを発症する原因は、遺伝的要因と環境的要因の2つが考えられています。子供は卵や小麦などアレルギーを起こしやすい食物が、大人はダニやハウスダストなど環境が発症の原因になるケースが多いようです。またストレスの影響も強いと考えられています。

アトピー性皮膚炎の患者の皮膚は、角質層に存在するセラミドなどの細胞間脂質の生成量が少ないことが分かっています。そのため角質層が乾燥して隙間ができ、異物に侵入されると抗体が反応して炎症を起こすと考えられています。

アトピー性皮膚炎は現時点では根治することができません。そのため薬物などによる対症療法が行われます。ステロイドの外用剤の処方などです。日常生活では、不規則な生活やストレス、栄養価の低い食事や不潔な環境を避けて、睡眠時間も十分確保するようにします。

極端に重症な場合を除けば、そうした上で薬物療法とスキンケアを行うと普通に生活することができます。スキンケアによっても症状の軽減が可能なため、保湿力の強いワセリンなどがよく使用されています。

白斑(はくはん)

日曜日, 12月 27th, 2009

白斑とは、皮膚の一部の色素が完全に抜けている状態のことです。

正常な皮膚との境界は明瞭で、木の葉や円の形、地図のような形などさまざまな形状をしています。毛髪のある部分に白斑がある場合、白髪が生えるケースが多く見られます。

白斑は、全身にあり対称性に見られる汎発型(はんはつがた)と、単発または数個の白斑が限られた部分に見られる限局型、皮膚の神経に沿っている分節型の3種類があります。

汎発型は年齢を問わず発症し、悪化と新生を繰り返して広がっていきます。分節型は多くの場合、小児や若年層が発症して、そのうち20~30%は自然に症状が軽くなります。

白斑はメラニンをつくる色素細胞のメラノサイトが消失、またはメラニンが生成停止することによって発生します。その原因には不明な部分もありますが、体内にあるメラノサイトに対する抗体が自身のメラノサイトを破壊するという自己免疫説と、皮膚の末梢神経に異常が生じたとする神経説の2種が有力です。

白斑は感染症ではなく、患者が体調を崩すこともありません。しかし皮膚病のうち、最も治りにくいものの一つです。特に罹病してから長い場合や、発症部位が手などの末端部の場合は難治といわれています。

白斑は原因が完全に解明されていないため、根本的治療法は確立されておらず、対症療法が中心です。副腎皮質ホルモンの塗布や服用、蛍光ランプを使って紫外線を照射する紫外線治療、皮膚移植などが主流ですが、。最近では、活性型ビタミンD3の塗り薬と紫外線治療の併用が有効との報告もあります。

嚢胞(のうほう)

日曜日, 12月 27th, 2009

嚢胞とは、何らかの原因で身体の一部に形成された液体が入った袋状のもののことをいいます。

多くの嚢胞は、その内側が上皮によっておおわれています。表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)は、ゆっくりと大きくなるこぶで、皮膚のような薄い袋でできており、その中には皮膚の分泌物からできたチーズ状のものが含まれています。

手のひらや足の裏にできることが多い掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は嚢胞に膿が詰まっています。足の裏と手のひら以外に、脛や膝に水ぶくれができることもあります。足の裏にできた嚢胞は水虫に似ているため、角層を顕微鏡で調べて、水虫の原因となる白癬菌(はくせんきん)があるかどうか調べる必要があります。

口内にできた嚢胞の組織に、毛や皮脂腺、汗腺などを含んでいるものを類皮嚢胞(るいひのうほう)といいます。表皮だけでできているものを類表皮嚢胞(るいひょうひのうほう)といいます。いずれも先天的に皮膚細胞が嚢胞の組織内に迷いこむことによって発生し、嚢胞にはおからのような内容物が入っています。

嚢胞が大きくなると舌が後ろに押し出されて、声を出すときに発音しづらくなり、食物を飲み下す際も障害を起こす場合があります。これらは治療が必要で、大きさや深さによって、口あるいはあごの下を切開して摘出します。

表皮にできる表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)は脂腺にできた嚢胞と間違えやすいものです。周りの皮膚と同じ色をしています。直径約1・5cmまで大きくなることがあり、頭皮や背中、顔面に形成されることが多いようです。硬さがあって、押すと動きます。紫外線を浴びると成長が促されることが分かっています。

フィラグリン(ふぃらぐりん)

日曜日, 12月 27th, 2009

フィラグリンとは、皮膚の角質層に存在するたんぱく質の1種です。

角質層のなかで水分を保つ働きをする天然保湿因子NMFは約半分をアミノ酸が占めていますが、これらのアミノ酸はフィラグリンが分解されて生成されたものです。

有棘層(ゆうきょくそう)で前駆体(ぜんくたい)のプロフィラグリンとして産生され、分解を重ねることで顆粒層(かりゅうそう)でNMFに変化することが分かっています。フィラグリンは保湿作用はもちろん、紫外線によるダメージを防ぐなど皮膚のバリアー機能も司っています。

フィラグリンは人間の表皮でしか作られないことが分かっています。フィラグリンが生成され続け、正しく働けば、肌の透明感や張りは守られます。しかしフィラグリンの生成量は幼児期が一番多く、その後減少していきます。

さらにストレスや紫外線といった外的な刺激を受けると、さらに生成量が減っていきます。乾燥した環境に肌が晒されていると、フィラグリンの量は低下し、結果NMFの量も減って乾燥肌になるということがを解明されました。ナイアシンアミドという成分はフィラグリンの合成を促す性質があるため、注目を集めています。

フィラグリンはアトピー性皮膚炎にも関連があります。2006年、イギリスの学者らが、多くのアトピー患者の原因遺伝子を操作しているたんぱく質がフィラグリンであることを発見しました。

またフィラグリンの異常は、尋常性魚鱗癬(じんじょうせいぎょりんせん)という皮膚病をもたらすことがあります。

尋常性魚鱗癬とは、いわゆる「さめ肌」のことで、皮膚が乾燥して、魚のうろこのように角質が厚くなる皮膚疾患で、フィラグリンが正常に生成されないと発症することが分かっています。

フィブリン(ふぃぶりん)

日曜日, 12月 27th, 2009

フィブリンとは、6本のタンパク質の鎖で構成されたタンパク質で、血液を固める働きがあります。

皮膚を切ると血が出ますが、血液中の血小板(けっしょうばん)という血液細胞の小片が栓をつくり、血管が収縮して傷ついた部分に血液の流れる量を減らします。さらにフィブリンが集まって、より強固な網状の組織を形成し、損傷した部分が完治するまで保護する働きのある丈夫な血栓(けっせん)を作ります。

フィブリンは通常はフィブリノーゲンと呼ばれる形で血中に高い濃度で存在しています。フィブリノーゲンは水溶性で、血栓を作る時まで血液中に待機しています。

血栓を形成する必要が生じると、フィブリノーゲンはフィブリンに変換されます。線維が広がって網状になり、通常では液体の血液をゲル状の固体へと変えていきます。

不フィブリンは本来、出血を抑えるために欠かせない成分ですが、血管の内膜が傷つくと、血管内で血液が凝固し、血栓が作られます。また、細菌などが侵入した場合も、血中のフィブリノーゲンが組織に漏れ出して、炎症を起こして、血液を凝固させます。フィブリンが長く血管内にとどまると、血流が悪くなります。

フィブリノーゲンはフィブリンから作られた薬剤で止血時の静脈注射剤に用いられます。かつては糊に加工して使用することもありましたが、薬害C型肝炎の感染者中、フィブリン糊による感染者が約10%含まれていることが判明したことから、血液製剤を使用する際には患者へのインフォームドコンセントが義務づけられるようになりました。

ランゲルハンス細胞(らんげるはんすさいぼう)

日曜日, 12月 27th, 2009

ランゲルハンス細胞とは、皮膚の表皮内の有棘層(ゆうきょくそう)にある免疫細胞のことです。

有棘層には、2種類の樹枝状細胞(じゅしじょうさいぼう)が網の目のように存在しています。神経細胞とランゲルハンス細胞です。

ランゲルハンス細胞は外から入ってくるウイルスや細菌の情報を脳が感知するよりも早くキャッチする役割としています。樹枝状細胞が得た信号は、免疫系・中枢神経系と結びついて、身体のバランスを維持しているといわれています。

ランゲルハンス細胞は日夜表皮の中で異物侵入の見張りをし、身体に刺激を与えるものが入ってきた時には、すぐにリンパ節に情報を伝えます。するとリンパ球が異物を体外に排出させるために、免疫システムを発動させます。

そのため化粧品や刺激物による皮膚のかぶれなどは、ランゲルハンス細胞が深く関係しているといわれています。ただし異物の情報をキャッチすることはできても、細胞そのもので異物の処理を行うことはできません。

ランゲルハンス細胞の数は表皮にある細胞数の2~5%程度です。そして過度のストレスや紫外線B波を長時間受けると、その数が減少し情報伝達能力が下がることが分かっています。

長時間紫外線を浴びると疲労感があるのは、照射された部分のランゲルハンス細胞が減少して免疫力が衰えたためと考えられます。

ランゲルハンス細胞は増殖しすぎると、ランゲルハンス細胞組織球症という難病を引き起こします。これは小児に発生率が高い病気ですが、発生率は20万人に1人とされています。

エクリン汗腺(えくりんかんせん)

日曜日, 12月 27th, 2009

エクリン汗腺とは、皮膚内で汗を分泌する腺の一種です。

人体のエクリン汗腺は平均350万個、少ない人で200万個、多い人では500万個あるといわれています。しかし実際に活動をするエクリン汗腺は全体のうち約50%です。その割合は生まれて3歳までの間で過ごした環境によって決まると考えられています。

たとえば暖かい地域で生まれ育った人の方が、寒い地域で生まれ育った人に比べると生きたエクリン汗腺の数が多いことが分かっています。そのため暑い時にもスムーズに体温調節ができるようです。

エクリン汗腺は皮膚のほとんどの部位に存在しています。直径約0.4mmのコイル状の器官で、水分が99%を占めるエクリン汗を分泌します。エクリン汗はわずかに塩分や尿素、カルシウムなどを含んでいて、無臭でさらさらとしています。

しかし足裏などのエクリン腺から出た汗によって細菌が増殖すると、体臭の原因になることが分かっています。

エクリン汗腺は、身体が熱くなると、エクリン汗を出して体温を調節する働きがあります。また精神的に緊張した場合や辛いものを食べた時に出る汗もエクリン汗です。

肥満気味の人の場合、体内の熱が皮下脂肪に遮らてしまうため、多くの汗を出すことで体温の上昇を抑えなければなりません。そのため肥満傾向の人はエクリン汗腺が発達しています。

生まれつき汗の量が多い多汗症患者の汗もエクリン汗です。多汗症の原因は、交感神経が過敏であることや、何らかの原因で血液中の二酸化炭素の濃度が高くなって発汗中枢が刺激されることが考えられます。

アポクリン汗腺(あぽくりんかんせん)

日曜日, 12月 27th, 2009

アポクリン汗腺とは、汗を分泌する腺の一種です。

皮下組織にあって、糸がからみあったような形をしています。その排出管は毛穴につながり合流していますが、皮膚の表面には出ていません。そのため体毛が多い人は、それだけアポクリン汗腺も多いと考えられます。

また人種によってその数に大きな差があり、日本人のような黄色人種は少なく、黒人や白人には多い傾向があるといわれています。

アポクリン汗腺は脇の下や耳の一部、乳首や陰部などの毛穴の奥などの限られた場所で見られます。髪の毛などには存在していません。

その大きさはエクリン汗腺の約10倍のため、「大汗腺」とも呼ばれています。しかしアポクリン汗腺から分泌される汗の量は多いとはいえないようです。乳児期から幼児期にかけては活動しませんが、思春期以降、老化によって腺が衰えるまで汗の分泌を続けます。

アポクリン汗腺から出る汗はアポクリン汗と呼ばれています。アポクリン汗は脂肪分を始め、鉄分や色素、尿素、アンモニアなど、さまざまな成分が含まれています。そのため粘り気があり、色も透明ではなく乳白色です。

アポクリン汗は色素を含むため、衣服につくと黄色いシミになることもあります。耳穴のアポクリン汗腺の活動が活発な場合は、湿り気があってべとついた耳垢がついていることがあります。

アポクリン汗腺の働きには解明されていないことも多いのですが、アポクリン汗はストレスや性的興奮、緊張などによって分泌されると考えられています。性的興奮と関係が深いため、別名フェロモン分泌器官とも言われています。

ケラチン(けらちん)

日曜日, 12月 27th, 2009

ケラチンとは、20種類のアミノ酸が結合した硫黄を含むたんぱく質の総称です。

特にシスチンと呼ばれるアミノ酸が多く含まれています。皮膚の角質層を始め、毛髪などに多く含まれています。動物の角や魚類のうろこもケラチンで作られています。

ケラチンには、紫外線などの外的な刺激から身体を守る効果やバリアの効果があります。

ケラチンは大きく分けて2種類があり、毛髪や爪などは硬ケラチン、皮膚は軟ケラチンといいます。角質層を形成する軟ケラチンは、水分をたっぷり含んだ繊維状の細長いたんぱく質で、弾力性に富んでいます。新陳代謝が活発で健康な肌の場合、約14日で古いケラチンは剥がれ落ちます。

皮膚や頭髪に含まれたケラチンの健康を守るためには、食品やヘアケア剤でアミノ酸を補うといいといわれています。またケラチンそのものが配合されている化粧品やヘアケア剤もあります。

これらの多くは、ケラチンの結合を切断して、酵素や酸、アルカリなどを加えて加水分解した加水分解ケラチンが使用されています。加水分解ケラチンには水溶液と粉末があり、水溶液は淡い黄褐色で透明で、どちらもかすかに独特な臭いを発します。ケラチンでできている皮膚や毛髪となじみやすいのが特徴です。

化粧品に配合される際には、皮膜剤や界面活性剤として用いられることもあります。頭髪が濡れている時はまとまるのに、乾燥すると広がってしまうようなクセ毛は、ケラチンの配列が不順であると考えられています。

この場合は、浸透性の高いケラチンが配合されたヘアケア剤をおぎなうことで髪を落ち着かせることができます。

メラニン細胞(めらにんさいぼう)

日曜日, 12月 27th, 2009

メラニン細胞とは、メラニン色素を作りだす働きのある特殊な細胞のことです。

別名メラノサイトともいいます。表皮の中にある他の細胞の間に点在していて、メラニンを生成し、周囲の皮膚細胞に広げます。メラニン細胞は毛髪の毛母などにも存在しています。

皮膚が紫外線を浴びると、細胞内に活性酸素やメラノサイト刺激ホルモンが発生します。これらは情報伝達物質といわれ、メラニン細胞に活性酸素を分解するように指示を与えます。

するとメラニン細胞内のチロシナーゼという酵素がメラニンを大量に生成し活性酸素を分解。すると皮膚の色が濃くなっていき、いわゆる日焼けした状態になります。そしてメラニンを含んだ細胞が剥げ落ちると、皮膚は元通りの色になります。

何らかの原因で表皮細胞の新陳代謝が滞るとメラニンが定着して黒くなり、細胞の核の上を傘のように覆います。この状態がそばかすやシミで、皮膚上からも薄黒く見えるのです。

新陳代謝が活発な細胞はメラニンを分解する速度が速いのですが、過剰に紫外線を浴びるとメラニンの分解が遅れ、シミが皮膚に定着してしまうことがあるのです。またメラノサイト刺激ホルモンは不規則な生活やストレスによって分泌されることが分かっています。

睡眠不足や喫煙は、活性酸素を増やします。女性の場合、生理前もシミができやすくなりますが、それは黄体ホルモンの影響でメラノサイト刺激ホルモンが分泌され、メラニンが活発に生成されるためです。

メラニンは生成量が過剰に減少した場合もトラブルを招くことが分かっています。やけどや皮膚炎によってメラニンが減少すると、肌の色が部分的に薄くなることもあります。

皮脂腺(ひしせん)

日曜日, 12月 27th, 2009

皮脂腺とは、皮膚の内部にある腺の1種で、別名脂腺ともいいます。

皮脂腺は数種の脂肪酸やコレステロールが主成分の皮脂を分泌しています。皮脂腺の基底細胞では、脂腺細胞が分裂を繰り返し、真皮の毛細血管から糖分や脂肪分を送られて、細胞内で皮脂が作られます。

細胞が大きくなると細胞膜が破れて皮脂そのものが毛穴の中に分泌されていきます。分泌された皮脂は毛を伝わって肌の表面に排出されていきます。

皮脂腺は皮膚や毛髪の表面を外的刺激から守り、乾燥を防いで皮膚の水分を保つ働きをしています。手のひらと足底以外の全身に分布していますが、発達している部位と発達していない部位があります。

たとえば頭皮は皮脂腺が発達していて、毛髪を保護するために大量の皮脂を分泌しています。他に皮脂腺が多いのは、額や鼻、背中です。逆に少ないのは、腹部や臀部、腕や足です。

皮下脂肪の多い部位は皮脂を出す必要がないため、皮脂腺の数が少ないと言われています。また毛を伝って皮膚に皮脂を届けるため、毛が生えていない手のひらや足底には皮脂腺は存在しません。

そのため他の部位に比べ、手や足底は乾燥しやすいのです。逆に皮脂腺が活発に働きすぎると、皮脂の分泌が過剰になり、にきびなどの原因になることがあります。

皮脂の分泌が過剰になる原因は高温多湿の環境を始め、ストレス、動物性脂肪の大量摂取、水分や睡眠時間の不足などが考えられます。

ビタミンCやE、ポリフェノールなどが配合された化粧品や食材は皮脂線の働きを抑えることが分かっているため、上手にとり入れたいものです。

脂肪層(しぼうそう)

日曜日, 12月 27th, 2009

脂肪層とは、脂肪細胞の集合体で、皮膚の最下部にある層のことです。

真皮のすぐ下にあって、その下部には筋肉があります。脂肪層は外気の熱や冷気から身体を守り、クッションのように内臓や筋肉を保護する働きがあります。

また脂肪層には太い血管やリンパ管、神経などが通っていて、身体のエネルギーを貯える役割をしています。脂肪層で炎症や障害が起きると、範囲が広がって重症になりやすくなります。重大な傷害が起きると、結節性紅斑や脂肪織炎などの病気を発症します。

脂肪層は深い部分の深層脂肪層と浅い部分の浅層脂肪層があります。深層脂肪層は加齢によって厚みを増しやすく、浅層脂肪層はセルライトを生じやすいことが分かっています。

脂肪層の厚みは体の部分によって異なっています。まぶたの脂肪層は薄く、腹部や尻には厚みがあります。脂肪層が厚くなるのは、油脂や糖質などを過剰に摂取して代謝された中性脂肪が徐々に蓄積し、脂肪細胞が肥大していったこと原因です。

腹部や太ももなどの脂肪層は、美容外科で吸引による治療を受けることができます。超音波などを用いて小さく切開し、細い吸引管を挿入。バキューム機器を用いて脂肪を吸引していきます。

吸引が進んでいくと、脂肪層の中は網目状になり、神経と血管以外の脂肪が吸い出されていきます。脂肪が吸引された脂肪層は、徐々に縮んでいき、サイズダウンにつながります。術後は弾力性に富んだ下着を2~3か月着用して固定します。

角質層(かくしつそう)

日曜日, 12月 27th, 2009

角質層とは、表皮の一番外側にある細胞の膜です。

厚さは約1/50~1/100mmと薄いものですが、水分を保持して、皮膚の表面から水分が蒸発するのを防ぎます。また細菌などの刺激物から守るバリア機能を果たしています。

角質層は何層も重なった角質細胞とその隙間を埋める脂質、細胞と細胞の間に水分を蓄える細胞間脂質から成り立っています。主成分はタンパク質の一種であるケラチンです。

角質は表皮の基底層で生まれた細胞が成長しきったものであり、アカとして剥がれ落ちる直前にあります。しかし保水力が低い角質で皮膚が覆われた場合、肌の表面が乾燥しやすくなります。

またケラチンは乾燥すると硬くなる性質があり、乾燥によるかさつきやごわつきをもたらします。さらに乾燥が進行すると、古い角質がスムーズに剥がれ落ちなくなります。皮膚細胞の新陳代謝がうまくいかなくなると、外的刺激に対して過敏な状態になる他、皮脂のバランスが崩れて、さまざまな肌トラブルをもたらします。

逆に、日焼けやピーリングによる炎症を起こした皮膚は、表面の角質が過剰に剥げ落ち、防御力が充分でない未熟な細胞が表面に現れます。この場合も肌荒れや乾燥をもたらすことになります。

このような場合は、角質層にたっぷりと水分を蓄え、細胞の生まれ変わりを促することが必要です。一般的にちりめんジワと呼ばれるシワは、表皮部分にできた比較的浅いシワです。老化ではなく、角質層の水分不足が原因の1つと言われています。

皮下組織(ひかそしき)

日曜日, 12月 27th, 2009

皮下組織とは、皮膚の構造のうち、一番内側にある層のことです。

真皮層の下にあって、大部分は皮下脂肪によってできています。皮下組織は脂肪を蓄えることで、身体の体温を維持し、外部から受けた衝撃から内臓や器官を保護する働きをします。

また表皮と真皮の働きを助けます。その厚みは性別や年齢によって差があります。女性の場合は思春期を過ぎた頃から女性ホルモンの働きで脂肪細胞が増加し、丸みのある体型が作られます。

皮下組織の厚さは身体の部位によっても違い、頭部や額、鼻などは約2mm、他の部分は4~9mmです。

皮下組織は皮膚の基盤といわれています。真皮と繋がって固定されていますが、固定力が加齢によって衰えていきます。衰えた皮下組織は下に垂れていき、肌をたるませることになります。

皮下組織には毛細血管が張り巡らされていて、真皮層や表皮に栄養を送り込んで、肌の明るさや透明感を作ります。血の巡りがよく、新陳代謝が順調で常に新しい血液が流れていると、肌は健康的で明るく見えます。

逆に血行が悪化し、酸素が不足した血液が皮下組織に留まっていると、肌がくすみ、顔色も悪く見えます。肌の透明感を保つためには、血行を整えることが必至です。

またニキビが悪化して、痕がでこぼこになったりクレーターやケロイド状になってしまうことがありますが、それはニキビによる炎症が皮下組織にまで及んでしまったことが原因です。皮下組織が正常に働かない限り、皮下組織の上にある真皮や表皮が回復することありません。

毛包(もうほう)

日曜日, 12月 27th, 2009

毛包とは、皮膚内に存在し、毛根を包んでいる部分のことです。

胎児期に表皮の一部が分かれて形成されます。毛包は一度形成されると、その後、新たに作られることがないと考えられています。つまり全身の毛髪の数は、胎児期に決まっているといえます。

毛包は、毛を包むような窪みがあり、管状の形をしています。別名毛嚢(もうのう)とも言います。皮膚の中で毛髪を支えている他、毛髪の生成にも大きく関わっています。

毛包の下部には毛乳頭(もうにゅうとう)が存在しますが、成長期になると毛乳頭が細胞分裂を活発に繰り返して、毛髪の細胞を生成します。

毛乳頭には、毛細血管が入り込み、血管を通じて栄養分を補給しています。毛乳頭で細胞が作り出されると、皮膚内部の上に向かって移動していきます。その細胞が角化して硬くなったものが毛髪です。

毛包には皮脂腺やアポクリン汗腺などが付随しています。皮脂腺やアポクリン汗腺の分泌物は、毛包の内側にある毛根がある場所に向けて分泌されています。毛包は細菌に感染すると炎症を起こすことがあります。

もともと皮膚病を患っていて、かいているうちに、爪を通じて毛包内に雑菌が侵入した場合は、ボックハルト毛包炎を起こします。ボックハルト毛包炎では小さな膿庖(のうほう)や黄色いかさぶたができ、これらが破れるとかさぶたになります。

かみそりを使った後に肌がかぶれる「かみそり負け」といわれる尋常性毛包炎は、白色ブドウ球菌の感染が原因です。抗生剤や副腎皮質ステロイドの複合軟膏などを使って治療します。何度も繰り返したり、経過がよくない場合には、X線治療で脱毛をします。

真皮(しんぴ)

日曜日, 12月 27th, 2009

真皮とは、皮膚の表皮の下に存在する厚さ約2mmの層です。

スポンジのような構造で、肌のはりや弾力を作り出す物質が多く含まれています。真皮のうち70%は膠原線維であるコラーゲン、5%は同じく弾力線維のエラスチンが占めています。

これらの線維の他に、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を作り出す線維芽細胞、皮脂を分泌する皮脂腺、汗を作る汗腺は真皮の中にあります。

真皮の大半を占めるコラーゲンは、真皮のなかで網の目をめぐらせて、肌の弾力を作ります。繊維芽細胞から作り出され、老化すると酵素などによって分解されます。エラスチンはコラーゲンが網の目のように交差している部分に絡みついて支えています。

ヒアルロン酸はムコ多糖類というゼリー状の多糖類で、コラーゲンとエラスチンの間を埋め、これらとともに肌の弾力を作り出します。また水分を保持する力が強く、肌のみずみずしさを保つ働きをしています。

真皮内にはリンパ管や毛細血管も存在し、表皮に栄養や酸素を送り、老廃物を排出させます。真皮は肌の新陳代謝を助ける働きもしているのです。

真皮を形成している成分に異常や量的な変化が起こった場合、シワやたるみなどを作り出し、肌の老化を加速させることになります。真皮が生まれ変わる周期は5~6年と長く、一度サイクルが崩れると回復させることが難しいものです。

真皮の健康を保つためには、血液やリンパの流れを滞らせないように注意し、プラセンタなど線維芽細胞を活発化させる成分を補うのが有効と言われています。

表皮(ひょうひ)

日曜日, 12月 27th, 2009

表皮とは、皮膚の最も外側にある層のことです。

皮膚のうち、実際に触れることができるのは表皮の外側に過ぎず、化粧をしたり、スキンケアを行っているのもこの部分です。表皮の厚さはわずか0.2ミリ程度ですが、外側から順に、角質層、顆粒層(かりゅうそう)、有棘層(ゆうきょくそう)、基底層によって作られています。基底層で生まれた細胞が分裂する過程で変化するため、層によって異なる細胞で構成されています。

表皮の一番外側にある角質層は死んだ細胞の集まりで、紫外線や細菌など外的刺激の侵入を防ぐ働きをしています。

顆粒層と有棘層の細胞は生きており、水分が約65%含まれています。外部からの刺激に対して反応し、神経に情報を伝え、身体を守るためにアレルギー反応を起こすことがあります。

角質層と顆粒層は角層とも呼ばれています。 正常な場合のPH値は4.5~6.5ですが、体調を崩した場合や汗をかいたまま放置した場合にはPH値が乱れて、肌トラブルを起こす場合があります。

基底層は、ケラチノサイトとメラノサイトという物質によって構成されています。ケラチノサイトは表皮細胞の生成に関わり、自由神経終末の感受性を高め、時に痒みをもたらします。アトピー性皮膚炎の痒みもケラチノサイトの分泌が関係していると言われています。

メラノサイトは、メラニン細胞を生成して紫外線を吸収する働きをします。基底層は新しい細胞を産出し、細胞は分裂を繰り返しながら、皮膚の外側に向かって移動していきます。

その間に細胞は老化していくため、角質層にたどり着く時には死んでいるのです。健康な肌の場合、死んだ細胞は自然に剥がれ落ちていきます。